ガンスリコラボストーリー翻訳 第二章:万華鏡
Updated: Aug 18, 2020
万華鏡

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庭園ではいろんな匂いが漂っていた、花の香もあれば、茶葉の匂いも。
指揮官:ここが第二層か、思ったよりもリアルだな。
カリーナ:どうやらこの子はこの空間に存在するマインドのようです、彼女から膨大な計算量を感じますわ。
指揮官:つまり我々は黒幕を見つけたということだな?
カリーナ:私もそのつもりでしたが…こんな可愛い女の子が悪いことをするハッカーとは思えませんわ。
カリーナ:それに彼女にも我々の人形のメンタルを奪う動機があるようには見えません。
指揮官:とにかく、まずは彼女とコミュニケーションをとってみようか。
指揮官:彼女が言っていたジョゼさんは、ここにもともと居たユーザーか?
カリーナ:そうだと思います、指揮官様にはキャラを演じてください、彼女と会話を続ければなにか新しい発見があるかもしれません。
指揮官:わかった、試してみよう。
ヘンリエッタ:ジョゼさん着きました、ここに座りましょう。
ヘンリエッタ:お茶菓子を先に準備していてよかったです、これでジョゼさんとのお茶会も滞りなくできそうです。
指揮官:ありがとう、お茶美味しいよ。
指揮官:ヘンリエッタ…だよね、君はずっとここに居たのか?
ヘンリエッタ:はい、あなたがここを離れたあとここでずっとあなたを待っていました、あなたが帰ってくるときに真っ先にお迎えしたくて…
ヘンリエッタ:今回のお仕事は忙しそうですね、なんのお仕事をしてきたんですか?
指揮官:う……いつもと違いはないさ。
ヘンリエッタ:一課と一緒に出動任務ですか?
指揮官:一課?
指揮官:うん…そうとも言えるな。
ヘンリエッタ:なるほど…やはり機密作戦なんですね
ヘンリエッタ:前にジョゼさんが話してくれたとき、今回の任務義体は持っていけないと言ってたので、今回の任務は一課に関係するんじゃないかなって思いました。
ヘンリエッタ:でも大丈夫です、私達皆、あなた達のお帰りを待っていました。
指揮官:私達?
僕は周囲を見渡してみた。この庭園は綺麗だが広々としてる、遠くにはぼんやりとしているが一棟の建造物がみえる。だがいくら見渡しても、庭園には自分とヘンリエッタ以外は見えなかった。
ヘンリエッタ:トリエラ達を探しているんですか?皆遊びに出かけましたよ。
ヘンリエッタ:待っていた時間が長すぎましたし、皆自分の用事を済ませに行きました。
指揮官:トリエラってだれだ…
指揮官:まあ、それは後回しだ。
指揮官:ヘンリエッタ、見慣れない人を見かけなかったか?
ヘンリエッタ:見慣れない人ですか?ここ最近はたくさん見かけましたけど…
ヘンリエッタ:どんな感じの見慣れない人ですか?
指揮官:……
選択肢 A. 背が高く、明るい性格をした赤髪の女の子
B. 紫色の髪に緑の色の服、そして見た感じ暗めの女の子
C. 灰青色の髪で、見た感じ大雑把な女の子
D. 鮮やかな金色の髪の毛でのくるっ毛の女の子
選択C
ヘンリエッタ:そのような髪の女性も多かったので…
指揮官:彼女の髪は特別ふわふわで、ゆるい感じなんだ。
ヘンリエッタ:あ、そう言われると思い出しました。童話に出てくる妖精さんみたいにかぼちゃに乗ってきました。
ヘンリエッタ:今彼女はクラエスのところに居ます。
ヘンリエッタ:……まさか彼女たちは敵なんですか、もしくは五共和国派のスパイ?
指揮官:いや、敵ではない、彼女たちは僕の味方だ。
僕の話を聞くと、彼女は服の裾をつかんできた。
ヘンリエッタ:そうですか……味方なんですね…
ヘンリエッタ:それだと私は彼女たちに感謝すべきですね。
指揮官:感謝?
ヘンリエッタ:彼女たちとジョゼさんは新しいfratello、だからジョゼさんはここに彼女たちを探しに戻ってきた、そうでしょう?
ヘンリエッタ:でも…私はずっとあなたを想っていました…あなたは私のために帰ってきたわけではないんですね?
指揮官:(前に離れたユーザーをずっと待っていたのか?自分が捨てられたとも知らずに?可哀想だな。)
指揮官:心配しないでくれヘンリエッタ…僕は君に合うために戻ってきたんだ。
ヘンリエッタ:はい…えへへっ
指揮官:どうしたんだい?
ヘンリエッタ:何でもないです…ジョゼさんの言葉聞けただけで、私は嬉しいんです。
ヘンリエッタ:やっぱり私とジョゼさんはこうですよねーー’’兄妹間では言葉はいらない。’’
指揮官:そうだな…うん、兄妹?
指揮官:僕たちが?
ヘンリエッタ:ジョゼさん忘れてしまったんですか?
ヘンリエッタ:私達は社会福祉公社に忠誠を誓ったパートナー、fratello(兄妹)ですよ。
ヘンリエッタ:あなたは私の補佐官で、私はあなたの義体、義体は命を命を賭して自分の補佐官を守り、補佐官の願望を叶えるために尽力する。
指揮官:(カリーナ、彼女の言葉を解説してくれないか?)
カリーナ:もうやっていますわ。データバンクを調べたところ、この空間の説明ファイルを見つけました。今から転送します。
カリーナがファイルを送信してくれた。僕はヘンリエッタに気付かれないように急いでファイルを読んだ。
設定では’’社会福祉公社’’は福祉公社の名を語った政府の特務機関である。
彼らは事故などで生存が難しくなった少女たちを集め、殺人に長けた義体に改造していた、彼女たちは’’補佐官’’とともに政府が合法的になし得ない任務を遂行することになる。
義体…人形と似てるが、根本的なところが違う。
義体という名前は、彼女たちが生きている人間という事実を何も変えれない、彼女たちの’’補佐官’’はおそらくだが人形の指揮官になるよりも大きなプレッシャーを受けることだろう。
アカウント所持者は’’補佐官’’を演じている?もしそうなら、アカウント所持者たちがここに戻らなくなったのも説明がつく。
だがこれらの事実が我々の人形とどう関わってくるのか?
どうやら目の前の少女の調査から始めなければすべての真実を暴くことはできなさそうだ。
ヘンリエッタ:ジョゼさん?
指揮官:すまない、少しボーっとしてたよ。
指揮官:……確かに、君の言うとおりだ。
指揮官:すまない、前の任務に時間をかけすぎた。
ヘンリエッタ:大丈夫です、公社の任務が最優先ですから。
ヘンリエッタ:それに私いつまででも待てます、ジョゼさんは絶対に戻ってくるって知っているから!
指揮官:ああ…そうか。
指揮官:ヘンリエッタ、自分のために新人…新しい義体を連れてきてくれないか?
ヘンリエッタ:ジョゼさんはもう少し座っていかないんですか?
ヘンリエッタ:ついさっき戻ってきたばっかりなのに…
ヘンリエッタ:小声(もしかして彼女たちのほうが私より大事なの?)
僕はヘンリエッタの目が少しおかしいことに気がついた。
公社は義体の高度の忠誠を必要としてるため、彼女たちの意識に’’制約’’を施され’’指揮官’’に絶対に服従するようになる、だが’’制約’’往々にしていびつな感情に変化していく。
だから目の前の少女に対しても、最大限の注意を払わなければ。
指揮官:彼女たちは前の任務の場を持っているんだ、できるだけ早めに確認したい。
ヘンリエッタ:そ、そうなんですね。
ヘンリエッタの視線が和らいぎ、僕もすこし落ち着けた。
ヘンリエッタ:ですが私も彼女たちの現在位置を確認する方法がありません。
指揮官:どうして?
ヘンリエッタ:それも忘れてしまったんですか?あっちにある建造物を見てください、あれがVitaです。
ヘンリエッタ:前あなたとジャンさんが任務のため外出した時、訓練外なら遊びに行っていいと行ってたので。
指揮官:Vita?
ヘンリエッタ:そうです、あの’’Vita''と呼ばれている場所では、私達が願うと願ったとおりの世界が創造されるんです、その世界の中では自由自在に遊べるんです。
ヘンリエッタ:アンジェリカ、リコ、トリエラ、そしてクラエス達は皆行っています。
指揮官:君は?
ヘンリエッタ:……
突然の質問に恥ずかしそうな顔をして、彼女は席で丸くなってしまい、目も泳ぎ始めた。
指揮官:ヘンリエッタ?
ヘンリエッタ:帰ってくるのを待ちたかったんです…
ヘンリエッタ:あそこへは、私一人だけじゃなくて…ジョゼさんと一緒に行きたかったんです。
指揮官:そ、そうか。
指揮官:なら彼女たちはいつ戻ってくるんだ?
ヘンリエッタ:う…私にもわかりません、おそらくしばらく経ったあとだと思います。
指揮官:さがそんなに長くは待てないな。
ヘンリエッタ:ならば、一緒に彼女たちを探しに行きませんか!
ヘンリエッタ:ジョゼさんと私で一緒にあの場所へ!
指揮官:直接’’Vita’’へ?
ヘンリエッタ:ジョゼさんはいやですか?
指揮官:いやいや、なら今すぐ出発しよう。
ヘンリエッタ:えへへっ!
まるで自分の感情を隠すかのように、彼女は僕の手を取って、庭園外の建造物へと僕を引っ張っていった。
ヘンリエッタの笑顔に満ちた顔を太陽の光が葉っぱを隔てながら照らしていた、なぜかわからないが彼女を守りたいと思った。
彼女たちの物語は只のバーチャルに過ぎないのか?それとも昔どこかで起こった事件を誰かが記録しこの区域に保存したのか?
これらの疑問を持ちつつ、僕はヘンリエッタに連れられてこの’’Vita’’と呼ばれている建物に入った。
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