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ガンスリコラボストーリー翻訳 第一章:第九号

Writer: YosibillYosibill

Updated: Jul 30, 2020



おお 友よ、この調べではない!、そうではなく、我々をより快い、歓喜に満ちた調べに声を合わせよう。 「Freude! Freude! 歓喜よ!喜びよ!」


「歓喜よ、美しい、神々の火花よ、楽園からの乙女よ、私たちは火を飲んで足を踏み入れる、神々の、あなたの聖なるところに!あなたの魔力が再び結び合わせる、

時代が厳しく切り離したものを…」



低音と高音が奏でるハーモニーの中、司令室の雰囲気は癒やされつつも悶々としていた。

指揮官:これが今回解析でわかった送信元アドレスか?

カリーナ:いいえ、やはりこれはあくまで只のノードに過ぎませんわ…前のと同じで普通の合唱音声ファイルです。

指揮官:もう一週間になる、まさか我々をおちょくっているのか?/風刺しているのか?

カリーナ:第二層担当の技術スタッフはちょうど休暇中、電子戦に長けている人形も別の任務のため出張中、我々のような専門外のアマチュアが担当してたら、効率がこんなに低くても仕方ありませんよ。

指揮官:アマチュア…

カリーナ:あはは…

カリーナ:指揮官さまは一回お休みになられたら?ここ最近まともに睡眠をとっていなかったようですし。

指揮官:今回で目的のサーバーを見つけられるもんだと思ってたんだけどな…わかった、先に休ませてもらうよ、後で交代しよう。

カリーナ:はい、いい夢を!

カリーナに手を振りつつ、僕は司令室を離れた。

この事件の説明は一週間前に遡る。


一週間前、カフェにて。

数名の人形達が集まって何かを話しているようだ、僕は好奇心から彼女たちに近づいて会話を聞こうと思った。

人形たちは僕が近づいてくるのを見て、興奮した様子で僕の周囲に集まってきた。

DP12:指揮官、例の話は聞きました?

DP12:今人気なネットゴーストの話ですよ!

カルカノM91/38(妹):私はそんなことには全然興味無いですけど、指揮官は絶対にありそうですよね。

指揮官:ネットゴースト?

カルカノM1891(姉):そんな事言わないでさあ、シノ!一緒に見ようよ、匿名掲示板だとリアルタイムでデータを更新してる人もいるし。

DP12:カノさんも見てるんですか?

とDP12は言いつつ声を低くし始めた。

DP12:あれは恐ろしい怪物であった。

DP12:あれは少女の顔を持ち、柔らかな喉を持っていた。

DP12:あれは硝煙の匂いに塗れた女の子であり、オーデコロンを吹き出す修道士でもあった。

DP12:あれはネットの海に漂い、機械を選び、体を捨て、心を喰う。

カルカノ妹:……

カルカノ姉:お!その話は私も聞いたことがあります。

カルカノ姉:伝説、あれが一番好きなことは、そう飲み込むこと…

カルカノ姉:ホラ吹きが好きな人形を…

カノは言い終えたあと意味深にシノを見つめた。

カルカノ妹:わ、わたしはそんな幻想めいた噂話に驚いたりはしませんわ。

カルカノ姉:そうなの、シノ?

カルカノ姉:指揮官の手を離して言ったほうが説得力はあったわね。

シノは固まったあと、自分の手をすぐさま振りほどき一目散に逃げてしまった。

カルカノ姉:まって、そんなに早く逃げないでよシノ!

DP12:あら、まさかシノさん本当に怖がってしまったのでしょうか?

カルカノ姉:どうやらそのようですね…シノを探してきます、お二人共また後で!

カルカノ姉:シノまってー

DP12:相当驚いてしまったようですね…

指揮官:彼女を驚かせた話も元を辿れば君が持ちかけたものだろう?

DP12:うっ…確かに、なのでびっくりしてしまった可哀想な子を慰めに行ってきます。

DP12:私も行きます、それではまた、指揮官。

指揮官:ああ、またな。

人形達は皆カフェから離れていった、今日も平和だ。

春田さんが運んでくれたコーヒーは芳醇かつスッキリする味わいで、僕はお茶請けをいただきながら遠征報告書を眺めていた。

だが、平和な風景は2分と持たず、通信が鳴った。

DP12:指揮官居ますか?緊急事態です!

指揮官:ああ、何が起こった?

DP12:あの指揮官とく聞いてください、私は冗談を言っていませんし、ネットゴーストの件ももしかしたら虚言ではないかもしれません。

指揮官:そういう意味だ?

DP12:さっき宿舎まで彼女たちを追いかけていったのですが、カルカノさんとシノさんがSAT8の部屋前で倒れてたんです。彼女たちの充電は足りているのですが、どうやっても表面意識が戻らないんです。

彼女の声は真剣そのもので、どうやら悪ふざけで脅かそうとしてるわけではなさそうだ。

カノとシノは最近SAT8謹製の炭焼きピザにハマっており、彼女ら3人の仲はいいことは知っているが、炭焼きピザが人形の意識を失わせる効果があるなんて聞いたことがない。

指揮官:ネットゴーストの真否はともかく、まず君はSAT8と一緒に彼女たちをメンテナンスルームに連れて行って具体的な故障がないか確認してきてくれ。

DP12:それも報告しなければいけないことで…

DP12:指揮官、彼女の部屋のドアが空いてまして、SAT8とSPASも中で倒れていたんです、状況はカノたちと一緒です。


それから7日が過ぎた。

あの伝説と同じように、人形たちのメンタルマップは未知の存在から攻撃を受け、メンタルマインドが消失してしまい、体は動かなくなってしまった。IOPの技術スタッフは昨日やっと未知の攻撃源に対し解析を開始したが、今の今まで僕たちになんの報告もしてくれない。

そして、僕とカリーナの事故調査の結果もいくつかのノードをダウンロードしたのみ、そしてノード内には歌が一曲だけ…

指揮官:少女の顔を持ち、柔らかな喉を持つ…

指揮官:…柔らかな喉…

カリーナ:指揮官さま?どうしてまた戻ってきたんですか、休憩に行ったはずでは?

指揮官:カリーナ、またさっきの合唱を再生してくれ。

カリーナ:わかりました。


おお 友よ、この調べではない!、そうではなく、我々をより快い、歓喜に満ちた調べに声を合わせよう。

空白のウェブページがモニターに表示され、低音と高音が奏でるハーモニーがまた司令室に響き渡った。

僕は神経をとがらせながら聞いていると、やっと微弱な異常を補足できた。

指揮官:合唱部分以外はすべてカットだ。

カリーナ:合唱の部分?…できました、その次は?

指揮官:低音の部分をトリミング、人声部分のサンプルだけ残せ。

カリーナ:はい…

指揮官:そしてこの波長を数字に転換してみてくれ。

カリーナ:あ!これは送信元アドレス!

指揮官:やっと入り口を見つけたな、たしかに人形には見つけやすいが、人類にとっては非常に見つけにくいな。

指揮官:この送信元アドレスで何かわからないか?

……

カリーナ:どうやらこれはプライベートの第二層のデータバンクみたいです、いかなるパスワードかがされてないので好きにログインできますわ、ただしばらく更新はされてなかったみたいです。

カリーナ:我々の人形を除いて、他のログイン記録はここ何年無いみたいですね、どうやら廃棄された空間みたいです。

指揮官:空間名は…社会福祉公社?変な名前だな。

指揮官:ログインしてみるか?

カリーナ:新しくアカウントは作れないみたいです。おっと、いくつかログイン可能な旧アカウントが残ってるみたいです、ですがフルダイブ装備が必要みたいです。

指揮官:仕方ないな、しばらく使っていないヘッドセットを持ってくるか。

指揮官:旧アカウントも確認しておくか。

カリーナ:アカウントはいくつか残っていますね、アカウント名は…

カリーナ:’’ジョゼ’、’’マルコ’’’、’’ジャン’’、そして…

指揮官:とりあえず一番目のアカウントを使ってログインしてみようか。

カリーナ:わかりました!気をつけてくださいね、指揮官さま!

カリーナ:もし危険があればすぐさま教えて下さい、すぐに接続を切りますわ!

指揮官:大丈夫だ、人類の頭の中には脳みそしか入っていない、人形みたいにデジタルデータに変換され吸い取られはしないさ。

カリーナ:たしかにそうですが…とにかく私は外界でサポートします、なにか問題があったらすぐに聞いてください。

指揮官:わかった、その時は頼む。

カリーナに手渡してもらったギアを付け、ジョセのアカウントにログインした。

視界は闇に飲み込まれ、前に進もうとすると、硬い鉄柵のドアに行き当たった。

少女が遠くで歌っている、さっきの音声ファイルで聞いた声かはわからないが。非常に聞き覚えがある声だった。

指揮官:これはゲームのオープニング動画か?カリーナにも見えるか?

カリーナ:イメージはわきませんが、指揮官さまが見えてるものは私にも見えてます、心配しない、私はずっとあなたとシンクロしてます。

指揮官:そうか、なら今からログインを開始する。

動けるのを確認したあと、ドアを開けた。

視界がひらけていく。

???:あらゆるものは歓喜を飲み、自然の乳房から

???:すべての善人も、すべての悪人も薔薇の道をたどる。

花園の中心に立ち歌っていた少女は、足音が聞こえたのか、こちらへ振り返ってきた。

僕を見た瞬間、彼女の目が喜びの光に満ち溢れた。

???:ジョゼさん!戻ってくるとわかってました!

指揮官:……

選択肢 君は誰だ? ただいま

彼女は自分にとって見知らぬ顔をしていた

だが、このゲームアカウントに登録されている情報なのだろう、その時彼女の名前と身分がわかった。

彼女は僕の’’義体’’、自分の戦いをサポートしてくれる相棒だ。

指揮官:うん、ただいま、ヘンリエッタ。

僕が彼女の名前を呼ぶと、彼女ははにかんだ。

彼女の笑顔はとても純粋かつピュアで、頬はすこし赤く染まり、もし自分が第二層にいることを意識してなければ、本物の女の子が自分の目の前に立っているようだった。

彼女はわずかにうつむき、恥ずかしそうに僕を見ている、そして笑顔と同時に顔を上げ僕に対し。

ヘンリエッタ:おかえりなさい!ジョゼさん!




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