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ガンスリコラボストーリー翻訳 第八章:嘘がつけないピノッキオ 1

Writer: YosibillYosibill

ガンスリコラボストーリー翻訳 第八章:嘘がつけないピノッキオ 1

戦闘開始前


指揮官:「このVitaの義体の名前はトリエラというのか?」

ヘンリエッタ:「トリエラについて知りたいんですか?」

指揮官:「少し記憶がおぼろげでね。」

指揮官:「彼女はどんな子なんだい?」

ヘンリエッタ:「トリエラは私達の中で一番凄い義体なんです、彼女と任務に出動する時、なんでかわからないけどものすごい安心できるんです。」

指揮官:「彼女はきっと腕利きな女の子なんだな、おそらくだが彼女にも色々あったんだろうな。」

ヘンリエッタ:「トリエラは昔五共和国派のすごい殺し屋と対面して、最後は彼に勝ったことがあったんです。」

「確かあの殺し屋の名前は’’ピノッキオ’’?だったはずです。」

指揮官:「’’ピノッキオ’’か…」

ヘンリエッタ:「公社内ではトリエラと’’ピノッキオ’’の戦いは伝説にもなったんですよ、彼を倒すために、トリエラはわざわざGISに言って訓練を受けてましたから。」

ヘンリエッタ:「あそこは考えただけでも怖い場所です。」

僕はこっそりカリーナが更新したデータバンクを開いた、どうやらトリエラの戦いは尋常ではなかったようだ。

これまでの経験からして、ここのシナリオは’’ピノッキオ’’の逮捕と関係があるのだろう。そして逮捕の過程で人形が現れたせいで歪みが発生した。

でも、前の経験があるし、僕が’’Vita’’の中でちゃんと役を演じられれば、事件は問題なく解決するはずだ」


??:「ヒルシャーさん。」

指揮官:「うん?」

??:「ヒルシャーさん、これからどうすればいいんですか?」

僕は小屋の中で、望遠鏡を目の前においていた。

そして、僕の目の前にいるこの方は間違えなく’’Vita’’の義体だ。

ヘンリエッタの声:「’’ピノッキオ’’逮捕時のトリエラですね。」

指揮官:「どうやらこの出来事は人気が高いようだね…」

ヘンリエッタの声:「ですが当時のトリエラは訓練を受けて無くて、結局’’ピノッキオ’’を逃してしまったんです。」

指揮官:「なら、今回で捕まえられないか試してみるとしよう。」

ヘンリエッタの声:「ジョゼさんならきっとやれますよ、お側で応援していますね。」

トリエラは僕に偵察結果を報告してくれた。

現在我々は、疾走した公安職員を追跡していたが、意図せず五共和国派の殺し屋’’ピノッキオ’’と遭遇してしまい、彼をできるだけ早く逮捕するために、彼が住んでいる家の近くを偵察していた。

僕にとって意外だったのが、この’’Vita’’はちゃんと元のシナリオどおりに事が動いている。

つまり、僕が義体と新しく関係を作る時間が省略されたとも言える。

だが、おそらくシナリオ内の異常はもうすぐ現れるだろう、そしてシノの出現位置とこの’’ピノッキオ’’という名前から大方の予想はついている。

願うならば、この空間で起きるすべてが順調に進んでほしい、もしピノッキオをそのまま逮捕してこの物語を終わらせることができればいいのだが。

指揮官:「盗聴器がもう仕掛け終わったのか、トリエラ。」

トリエラ:「はい、さっき会った女の子に取り付けました。」

トリエラ:「女の子が教えてくれました、あの家に住んでいる人の名前は’’ピノ’’だと。」

指揮官:「本当にわかりやすいな、あの家に住んでいるやつが、我々のターゲットの’’ピノッキオ’’か。」

トリエラ:「相手は遠距離狙撃を得意とした殺し屋ですが、我々はもう十分に近づいています、今攻撃を仕掛ければきっと迅速に制圧できるはずです。

指揮官:「狙撃を得意とした殺し屋?」

トリエラ:「前、公社がくれた資料にはそう書いてありました、ヒルシャーさんは見なかったんですか?」

トリエラ:「ヒルシャーさんっぽくありませんね。」

指揮官:(もうここから違うのか…)

指揮官:「済まない、次からは気をつけるよ。」

トリエラ:「それでは仕掛けますか?」

指揮官:「僕たちは中に何人敵がいるかすらわからないんだ、二人だけとなるとだいぶ苦戦しそうだな。」

指揮官:「フィレンツェ支部の人員を待ってから仕掛けようか。」

トリエラ:「ですが、早めに対策をしないと、さっきの女の子に命の危機が及びます、もしかして見殺しにして、彼女を新しい義体候補にするつもりですか?」

考えたあと、元々のシナリオでは、トリエラは地下室で’’ピノッキオ’’と遭遇し、最後は油断によって先手を取れてしまった。

もし’’ピノッキオ’’が今のシノになっていたら、トリエラの世界でシノが彼女に肉弾戦で勝てるとは思わない。

もし自分がシノに先に接触できれば穏便な方法で処理できる。

指揮官:「……」

指揮官:「わかった。なら出撃してくれ。」

指揮官:「トリエラ、きみは屋上から突撃、僕は地下室ジャラ潜入する、二方面から敵を挟み込むぞ。」

トリエラ:「地下室は狭いし、私が行ったほうがいいのではないでしょうか?」

指揮官:「地下室の地形は比較的複雑だ、君が行っても、僕が行っても結果はそう変わらないさ、なら僕が敵を足止めしてる間に、君が上から攻撃を仕掛けられれば有利が取れる。」

トリエラ:「ヒルシャーさんがそう言うなら…」

指揮官:「うん、自身の安全に注意して、もし対処できなければ無理はするな。’」

トリエラ:「何を言ってるんですか、ヒルシャーさん、私は義体で、無理をするなんて言葉は私にはありません。」

トリエラは屋上に向けて走っていった、僕もピストルを取り出して地下室の入り口へ向かった。

元々のシナリオと非常に似ているが、些細なところで微妙な変化がある、間違いなく僕らの人形のせいで起こったことだ。

すぐにでもシノを連れ帰りたいが、僕は’’規定規則’’に従わなければいけない、つまりシノと遭遇した際、彼女は’’ピノッキオ’’として僕と戦う可能性がある。

だが、もう僕は’’Vita’’内のいろんなシチュエーションに対応できる自信がある、第二層内であれば、もしかして僕も一対一の状況下なら人形に勝てるのではないか?

僕が目標の家の壁際に張り付こうとした時、トリエラが屋上に向けて飛躍しているところを見かけた。

無線で彼女から準備完了のメッセージを受け取ったあと、僕は彼女に屋上で待機を命じた、もし僕がシノを見つけて、説得できれば、トリエラに屋上から飛び降りて貰う必要もなくなるからだ。

僕はデータバンク内の試料を参考にしつつ、急いで地下室へ突入した、だが元のシナリオで’’ピノッキオ’’が居たはずの部屋は、無人だった。

指揮官:「やはりシナリオに変化が起きている…」

そう思っていた時、室外からライフルの鋭い銃声が聞こえてきた。

その直後、無線からトリエラのうめき声が聞こえてきた。

指揮官:「トリエラ!!」

トリエラ:「ヒルシャーさん、私は…平気です!」

トリエラ:「すみません、’’ピノッキオ’’が屋上で私を待ち伏せしていました…」

指揮官:「状況は?」

指揮官:「負傷したのか?」

トリエラ:「足を擦りむきましたが、まだ動けます!」

トリエラ:「今は突撃の準備中でしたが、突然狙撃されて…!」

トリエラ:「銃声から’’ピノッキオは私達が監視していた、家屋の中には居ないようです!」

指揮官:「僕のところも空っぽだ、クソ!やられた!」

指揮官:「そこを動くなよ、今からそちらへ向かう!」

トリエラ:「だめです、屋上は危険すぎる、あなたも’’ピノッキオ’’に狙撃されます!」

トリエラ:「今私は、相手の射線の死角へ逃げ込めました、ここで相手の注意をひくので、あなた彼の狙撃位置まで行って、彼を捕らえてください!」

指揮官:「やつの場所がわかるのか?」

トリエラ:「次’’ピノッキオ’’が狙撃すれば、音でわかります。」

トリエラ:「さっきあいつが発砲した場所はここから遠くありません、もう一回狙撃を誘えます!」

指揮官:「だめだ、君の位置はもうバレている、次は擦り傷じゃ済まないぞ。」

トリエラ:「’’ピノッキオ’’に逃げられるわけには行きません、人類の反応は義体を超えられません、さっきはあくまで奇襲されたせいです。」

トリエラ:「今回は問題ありません!」

指揮官:「……」

指揮官:「なら君の言うとおりにしよう、絶対にあいつを僕が捕まえる。」

僕は一階のドアを蹴り開け、トリエラの言っていた方角へ向けて走っていった。

トリエラは被弾した自身の右足を見たあと、身を翻して、最速で彼女が予測した射撃位置へ撃てるように準備し始めた。

もし’’ピノッキオ’’がまだ彼女を狙っているのなら、きっとあそこにいるはずだ。

彼女は時間を予測して、最高の速度で’’ピノッキオ’’の大まかな位置を探った。

一瞬の後、一発の弾丸が半秒前彼女が顔を出した位置に正確に突き刺さった。

トリエラ:「やはり油断できないわね…もし頭を打たれたら助からない。」

トリエラは地面上で少しずつ自身の位置をずらした、銃声から大まかな位置を把握した彼女は、次に自身の銃の弾丸をその位置に次々に撃ち込もうとしていた。

ピストルだとこの距離では正確に狙えないが、’’ピノッキオ’’の邪魔さえできれば、新しくチャンスを作れる。

トリエラ:「ヒルシャーさん、’’ピノッキオ’’は東北方向にある青色の屋根の建物内に居ます、音からやつは左から一つ目の窓にいるはずです。」

指揮官:「了解、そこへ向けて近づく。」

トリエラ:「相手の射撃精度は非常に高いです、お気をつけて。」

トリエラ:「今から私は射撃で相手を翻弄してみます、相手の注意力が分散したときがチャンスです。」

指揮官:「わかった、絶対に捕まえる。」

トリエラは深呼吸したあと、突如’’ピノッキオ’’がいると思われる窓へ射撃を開始した。

トリエラの位置が変わったため、’’ピノッキオ’はすぐには銃弾を放てなかった。

トリエラは一瞬で彼の位置を把握し。頭を低く下げ、手を出し、すべての銃弾を撃った。

トリエラ:「やったか?」

だが別の窓から銃声が鳴り響き、トリエラのピストルに命中した。

ピストルは砕かれ、グリップが彼女の手から飛び出し。トリエラも衝撃のせいで地面に叩きつけられてしまった。

トリエラ:「うわ!!」

指揮官:「トリエラ、大丈夫か!」

トリエラ:「クソ…ヒルシャーさんにもらった武器なのに…」

トリエラ:「絶対に捕まえてくださいね!」

指揮官:「建物内にもう入った!」

指揮官:「また相手の銃声が聞こえたぞ、大丈夫か!」

銃声は真上から聞こえてきた、間違いなく’’ピノッキオ’’はここにいる。

中に他の敵がいるかはわからないが、トリエラが僕のために用意してくれたチャンスを逃すわけにはいかない。

ドアを開けるとその勢いのまま一番近い部屋へ転がり込んだ、やはり他の敵が建物内部で防衛していたか。

トリエラが注意を引いてくれたおかげで、敵は銃口を正門には向けていなかったようだ。

相手は自分の突入に気が付き、緊張した様子で自分の位置を探し始めた。

相手はあくまでもテロリスト、動作も意識もアマチュアのそれであり、二人は近付く間もなく僕に撃たれた。

残った五共和国派達は急いで銃で制圧しようとしたが、狭い室内ではライフルは十分な有利になり得なかった。

僕は体を揺らして敵の射撃を躱し、リロードの隙きを突いて射撃制圧しながらあいつに突っ込んでいった。

相手は不利だと感じ、ピストルを取り出したが、もう間に合わない。

雑魚どもを片付けたあと、僕は新しいマガジンに変えながら’’ピノッキオ’’の痕跡を探し始めた。’’

指揮官:「シノ!」

指揮官:「ここにいるのは知っているぞ!」

??:「……」

階段で二階に上がった時、さっきのスナイパーが窓から飛び出そうとしていた。

指揮官:「シノ!」

目の前の’’ピノッキオ’’はやはり戦術人形のシノだった、彼女の武器の銃口からは煙がまだ漂っていた。

自分と目があった一瞬、彼女は銃口を引き、弾殻が地面に落ちた。

彼女は戸惑った様子で自分を見ていた、銃口は挙げてはいなかった。僕は手を上げつつ、彼女に少しずつ近づいていった。

指揮官:「シノ、僕が誰だかわかるか?」

カルカノM91/38:「うん、わかるよ。」

指揮官:「よかった、どうやら君の記憶はいじられていなかったようだな。」

カルカノ妹:「……」

指揮官:「となれば残すはSAT8のみだな…ここから帰る方法を…」

話を言い終える前に、シノは銃で僕を狙ってきた、僕は急いで一番近いカバーの後ろへと隠れた。

一発の弾丸がさっき居た位置に吸い込まれ、シノはその隙きを突いてまだから逃げ出した。

指揮官:「’’ピノッキオ’’か…そういえば忘れていたな。」

トリエラ:「ヒルシャーさん!」

トリエラ:「大丈夫ですか、たくさんの銃声が聞こえました!」

指揮官:「大丈夫だ、’’ピノッキオ’’が逃げた、今から追跡する!」

トリエラ:「だめです!」

トリエラ:「大量の五共和国派があなたが今いる家屋に押し寄せてきます!いま外は非常に危険です!」

トリエラ:「私が来るのを待っててください、まずはここにいる敵の殲滅からです!」

指揮官:「クソ…シナリオでは五共和国派に包囲されるなんて書いてなかったぞ。」


 

戦闘中 トリエラの独白

よくも私を撃ったな… ヒルシャーさんのくれた大切な銃で!!

許さない……絶対に許さない!

私は戦わなくちゃいけないんだ!戦い続けなきゃいけない理由がある!

ヒルシャーさん、聞いて下さい! 私勝ったんです!!

ヒルシャーさん? 褒めてくれないんですか?

優しい夢を見た。眼鏡と香水の香り。

『お母さん』の夢。私をさっと抱きしめてくれた。

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